グラッパ製造の工程は、まず、原料、つまりヴィナッチャの厳格な選別から始まります。アルタヴィッラでは代々、蒸留所から半径20-30km以内の、品質の高いワイナリーとの信頼関係が深く、そこからヴィナッチャを購入しています。ヴィナッチャの鮮度は品質に大きな影響を与えるため、とても大切なことです。よって、この範囲のものしか購入しません。他の蒸留所に比べて、ヴィナッチャを発酵後のタンクから取り出して蒸留するまでのスピードがとてもとても速い。これを実践しているのはイタリアでもほんの僅かの蒸留所だけです。

ヴィナッチャの貯蔵庫

基本的にはヴィナッチャが届き次第すぐに蒸留に入りますが、ワイナリーの収穫のタイミングが同じではないため、全てのヴィナッチャをすぐ蒸留することはとても難しいのです。そこで重要になるのが、いかにヴィナッチャを劣化させずに保管するかですが、アルタヴィッラには建物の地下にヴィナッチャを保管するための大きなタンク(貯蔵庫)があり、そこに大量のヴィナッチャを品種ごとに一緒に保管することができます。この「大量に一緒に保管できる」ということがとても重要で、それにより、ヴィナッチャの湿度を保ち、乾燥と劣化を防ぐことが可能です。多くの蒸留所では、このような貯蔵庫がなく、ヴィナッチャをプラスチックバッグにいれて、倉庫で保管しています。しかし、プラスチックバッグに入る容量は少なく、貯蔵庫に比べると、乾燥や劣化が早く、グラッパの品質にもそれが現れます。